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25000HIT記念リクエスト第二弾 『創作料理店のとある一日』

    2013-07-24(Wed)

こんばんは。

25000HIT記念リクエストの第二弾です。
今回はポール・ブリッツさんから頂いたお題『創作料理店』で書きました。

特に遊びはないです。
内容もごくごく短いですしね。
珍しく、登場人物に名前も付けませんでしたし。

うん、この記事では書く事がない。
本当はつなぎでPSO2のことでも書こうかな、と思ってたけど、それは次回に回します。

リクエストはサキさんの『レティシア姫 熱帯夜』で最後となりますね。
これはもう内容はほぼ決めてありますので、後は書くだけ。
そう、書くだけなんですけどね……早めにエンジンかけないと、ずるずると後回しになりかねないので、明日中に着手しよ、うん。

小説本文はいつもどおり追記に置いてあります。




「まずい、もう食べたくない」

 青年は出された料理を口に含むと間髪入れずにそう言った。

「ちょっと、いきなりそれはヒドいんじゃない?」
「まずいもんはまずい! 第一、これを料理として出そうって時点で間違ってる」

 青年は皿を少女の方に押しやり、食べてみろと促す。少女は不満顔ながら、促されるがままに料理をスプーンですくい、口元に運びかけ、

「一口でも食べたあなたがスゴイわ」

 そう鼻をつまんで言った。

「だろう? まずい以前にそもそも匂いが第一関門だ。そして、口に含んだ瞬間に広がる突き刺すようなえぐみと酸味が口の中で暴れまわり、嘔吐感を堪えるので精神力を使い果たすレベル」
「どうしてそうなったのかしら?」

 他人事のように言う少女に対して盛大なため息をつき、

「理由は知らん。だが、この料理屋で新作料理を作りたいと言ったが、それは却下だということは確実に決定した」
「うう……もう一度チャンスをくれない?」
「二度目のチャンスはない。あったとしても、それは俺がこの店を畳む時だ」

「それって、実質的に二度とないって意味じゃ……」
「そう言ってる。餞別がわりにもう一度食ってやるだけありがたく思え」

 青年は立ち上がり、客席のカウンターから厨房へと入る。

 少女も場所を譲り、入れ替わるようにしてカウンターのスツールへと腰掛けた。

「ねえ、なにか作ってよ」
「なぜだ?」
「口直し」
「……お前は直す必要がないだろ。食ってないんだから」

 そう言いつつも、青年は手を洗ってから、少女の汚した包丁やまな板、使いかけで放置された食材の後始末を行い、そして新たな食材を冷蔵庫から取り出した。

「いいか? 料理とは別に手間暇かければいいわけじゃない。そうした方が美味しいものもあるのは事実だが、簡単に美味しいものはできる」
「たとえば?」
「電子レンジで簡単にできる料理などだ。キャベツと白身魚の切り身があればあら簡単、だ」

 キャベツを幾枚か剥がし、丁寧に洗ってから耐熱容器へと敷き詰める。

「器だが、耐熱性があれば普通のものでも構わないが、昨今流行りのシリコン容器を使ってもいい」
「そういえば流行ってるわね、アレ。持ってないけどね」
「お前の事情なんか知ったことか」

 青年は続いて白身魚の切り身を取り出し、それをそのままキャベツの上に乗せた。そして、上から数枚のキャベツをかぶせてさらにラップをすると、そのまま電子レンジへ。

「加熱時間はおよそ5分だ。魚の様子を見て、生っぽかったら追加で加熱だな」
「半生は嫌だものね。で、それが終わったら?」

 5分後、電子レンジから取り出した器へ、

「味付けはポン酢だけでオーケーだ。好みの量かけたら、後は混ぜるだけ。場合によってはかつお節やごまを振ってもいいな」
「簡単ねぇ……」
「お前にも出来そうなものを教えているからな」

 青年の言葉に少女は無言になり、やがて、

「味見してあげるからよこしなさい」

 と偉そうにのたまう。青年も慣れたものなのか、器から別の小皿に取り分けて少女の前へ。青年自身も器から直接食べ始めた。

「味はさっぱりしてるわね」
「ポン酢だからな」
「……個性がないわね」

 青年は嫌な予感がして手を伸ばそうとするが既にとき遅し。どこから取り出したのか定かではないが、手にはお好みソース。その中身が盛大にぶちまけられた。

「…………」

 青年は思った。店を畳む時が来て少女が見るに耐えない料理を作ろうとしたら全力で阻止しよう、と。
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コメント

No title

創作料理屋さんに行った事ありますが、こんな感じでお料理考えているのかしら??
「わあ、凄い〜」と思ったものですが・・・。
案外、試行錯誤・味見を重ねて商品化しているのでしょうね。

この男性と少女は、仲が良さそうです。
少女は「味オンチ」かも知れませんが、男性がお料理すれが、良い関係が保たれそうです。

いるいる^^;

変な料理を作って、自分が食べずに取りあえず他人を毒見係にする人……^^;
そして、なぜか独創的すぎて微妙な料理を提供する人……
この少女の場合は微妙じゃなくて、激烈、ですね。
うちの母も、突然何かが降りてくるらしく、たまにおののくような料理を出すことがありました。
あれは、やっぱり料理の神が降りてくるのでしょうかね……神がかり過ぎて、人間には合わないのかしら??
しかし、いますねぇ。取りあえず、マヨネーズもしくはソース、の人。
料理はやはり潤滑油ですね。料理を挟んで、みな饒舌になり、人間関係もまろやかに……私も、なんだかんだ言いつつ、このお二人、いい感じに思えました(^^)

独創的すぎたのかな?

こんばんは。
個性溢れる料理はいいですが、食べられてなんぼですよね(笑)

そして、せっかく口直しに作ってくれた料理に対して、ソースで味を台無しにしちゃっているし。でも、あまり怒っていないところを見ると、青年はそれでも少女のことを(料理以外の点で)氣にいっているのでしょうね。

奇をてらわないけれど、すぐできていつでも美味しい、そんな簡単料理が一番ですよね。青年の作ってくれた料理は、そのポイントを押さえていて説得力があります。味音痴のその子はいいから、私に作ってくれないかなあ。

ペチュニアさんへ

こんばんは。

創作料理店などにはお邪魔した経験はありませんが、恐らくは試行錯誤の上で商品化しているのでしょうね。
創意工夫の末にお客様の舌を喜ばせていると思うと、すごいなと感じます。

> この男性と少女は、仲が良さそうです。
> 少女は「味オンチ」かも知れませんが、男性がお料理すれが、良い関係が保たれそうです。
そうですね。この青年と少女は親愛の情で結びついているでしょうから、例え少女が味オンチのままでも青年は受け入れるでしょうね。
ただまあ、厨房に立たせることはしないでしょうけども(笑)

コメントありがとうございました。

Re: いるいる^^;[大海彩洋さんへ]

こんばんは。

そういう人、いらっしゃいますか? ボクの身近にはいないですねぇ……
ええ、この少女の場合は激烈です。食べて吐き出さなかっただけ、青年を褒めるべきでしょう!

お母様が……
ボクも度々料理をつくることがあり、なにも考えずに味付けしてるとバランスがおかしくなることはありますけどね。
そうですね、神の領域は人間にはまだ早いのかもしれません。

いっとき流行り、今でもマヨラーの方はいらっしゃいますもんね。そのソース版はなんて呼べばいいんだろ?

料理、もしくは食事のシーンってその人らしさが結構出ると思うのですよ。
味の好みだったり、食べ方の作法だったり。場合によっては民族性も?
そうでなくても、潤滑油として普段の生活でも不思議と和んだり、話が弾んだりしますものね。
そして、この二人はなんだかんだでこれからも仲良くやっていくでしょう。

コメントありがとうございました。

Re: 独創的すぎたのかな?[八少女 夕さんへ]

こんばんは。

まったくその通りだと思います。個性的なあまり口にできないようなものが出来上がったら食材に謝るべきでしょう。

少女の行動パターンは基本的に、食べる、物足りない、変なもの足す、味が変だ、修正のために新たに調味料投下、ですね。なので、少しでも口に入れて違うと感じたら何かを入れます。そして出来上がるのが青年に最初に食べさせたようなモノ。
青年は青年で、もはや慣れたのかもしれませんね。描写はないですが、この料理店の看板娘が少女ですから、その点では感謝しているでしょうし。

料理というのはシンプルであればシンプルであるほど難しいと思います。
たとえば、おむすび。塩にぎりであれば、塩加減や握りの強さ。好みは千差万別であれど、それでも美味しいものを作ろうと思うとなかなか難しいものです。
青年の作った料理は手軽に出来てほとんど失敗がないので、実にいいものです。定番というほどでもありませんが、我が家の食卓に並ぶこともあります。

> 味音痴のその子はいいから、私に作ってくれないかなあ。
簡単ですから、ぜひご自分で! でも、スイスだとポン酢がないのでしょうね……

コメントありがとうございました。

No title

無茶振りだったかな、と思ったお題を、こんな素敵なラブコメディにしてくれてどうもありがとうございます(^^)

このふたりが幸せな生活を送れればいいですね。食生活以外で……(笑)

わたしが料理を作るときは「めんつゆ」が大活躍です。そのせいかいつまでたっても腕が向上しない(^^;) あまり便利すぎるのもなにかなあ(^^;)

ポール・ブリッツさんへ

こんばんは。

当初お題をもらった時は、どういう風なメニューを出そうかな、とそればかり考えてました。
結局知ってるメニューって、どこかで食べたことあるやつばかりですし。
ですので、夏に手軽に作れるメニューをベースにして、青年と少女のコメディ仕立てにさせていただきました。

ラブ要素は前面に出してませんが、そこを感じていただけたなら幸いです。
そうですね、(食生活以外で)幸せな生活を送っていただければと……(笑)

最近は麺つゆしかり、ドレッシングなどもだいぶ進化してきて使い勝手がいいですからね。
我が家も昔は醤油とみりんを使っていたというのに、いつしか市販の麺つゆの味になってしまいました。
こんな様子だと、そのうち出汁の取り方とかわすれそう……

リクエスト&コメントありがとうございました。

独創にもほどがあるでしょう?

あぁ!上手いです。短いのにきちんと纏まっていて、ほのぼのとした2人の関係がベースに見え隠れして。そしてオチも良いですね。お好みソース?これは酷い、と思っちゃいますよ。ま、ある意味、良い組み合わせの2人なのかも……。
こういうふうに書ければいいなぁ。
サキはお題をいただいたものの、筆が止まったままですからね。
困ったもんです。

Re: 独創にもほどがあるでしょう?[山西 サキさんへ]

こんばんは。

ああ、褒めないで……気力ないから短めにまとめただけですから。
でもまあ、そうですね。ベースはやはりなんだかんだ言って仲の良い二人、ということです。
せっかく作った料理すら台無しにしてしまう少女はどうかと思いますけど、青年も慣れたものです。ある意味、その独創性をヒントに青年が料理を作ってるのかも……

> こういうふうに書ければいいなぁ。
ツイッター診断とかでお題を出して、そこからうまく書こうとは思わずに数本短いのとか書いてみたらいかがでしょうか?
練習にはもってこいだと思いますよ。

サキさんもお題頂いてましたものね。
でも、難しく考えることはないと思いますよ。この間の紫陽花も素敵でしたし。

コメントありがとうございました。
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普段はぐだぐだとくだらないことを考え、よく妄想の世界で遊んでいる。
基本的に脳みそお花畑な人間。




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