FC2ブログ

君には想いを、剣に誓いを。(第一部)011 『間章・王女とアーデル』

    2012-06-07(Thu)

こんばんは。

なんか、小説の更新が一か月に一回ほどになっていることに焦りを感じています。
どうしてこうなった……

でも、書くのは決してやめてないのでご安心を。

では、挨拶はこの辺で。
本編は追記からどうぞ。
今回は幕間的な場面です。






「ご苦労だったわね、アーデル」

 そこは通常の世界からは切り離された場所だった。周囲を紫色の光が囲む。光をよく見れば、無数の魔法陣が絶えず展開しているのが見て取れる。

 そんな場所に足を踏み入れたのは白髪黒衣の男アーデル。彼は名を呼んだ主に対して深々と頭を下げた。

「ありがたきお言葉です、女王陛下」
「そうかしこまらないでくれるかしら。確かに、私は女王だけども、それは昔の話よ」
「そう、ですね……」

 アーデルは顔を上げてまじまじとその姿を見つめる。少女の姿だ。年のころは十五、六といったところで、艶やかな黒髪に愛らしくも悪戯っぽい目。体つきはやや幼いが、まとう雰囲気は他者を威圧するもの。まさしく女王の器だ。そして、そんな彼女は鳥かごのような形をしたものの中にいて、周囲を数十人の少年や青年に守られている。彼らの瞳はうっすらと光っていて、普通の人間ではないさまを伺わせる。

「それで、首尾は?」

 少女は問いかける。

「上々かと。九龍寺たちもこれで動き始めるでしょう。開戦まではまもなく、といったところかと」
「そう。あなたの言うとおり上々ね。後は、敵がどう出てくるかというところね」
「はい」

 少女は唇に指を当てて思案し、やがて、

「お前たち。新城祐樹の周囲を交代で見張りなさい。恐らく、ことは彼の周りで起こるでしょうから」
「わかりました」

 リーダー格の青年が頷き、周囲に指示を出す。彼以外の者は無言で頷き、衣擦れ以外の音を立てない。

「忠実な駒ですね」

 アーデルの感心とも呆れともつかない声に少女は妖しく笑い、

「あなたもこうなりたいのかしら?」
「いえ、遠慮させていただきます」
「そうね。あなたはそのままが一番いいわ。きちんと話し相手になってくれるもの」
「その御心のお慰みになるのでしたら、望外の喜びですとも」

 アーデルはおどけてそう言い、恭しくと頭を下げる。

「さて、そろそろ私は寝るわ。この体もまだ馴染みきっていなくてね……存外疲れるのよ」
「左様ですか。ならば、ゆっくりとお休みください。その間に朗報を届けられるように鋭意努力させていただきます」
「よろしくね」

 少女の言葉を聞き、アーデルはその体を背後の闇に溶かす。

 しんと静まり返った空間を退屈気に見やり、少女は小さなあくびを漏らした。
関連記事

テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめtyaiました【君には想いを、剣に誓いを。(第一部)011 『間章・王女とアーデル』】

こんばんは。なんか、小説の更新が一か月に一回ほどになっていることに焦りを感じています。どうしてこうなった……でも、書くのは決してやめてないのでご安心を。では、挨拶

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
プロフィール


Author:栗栖紗那

FC2プロフィール



BirthDay:5/8
BloodType:O

趣味で物書きやってる元学生。
プログラミングもするけど、そこまでスキルがあるわけでもない。

普段はぐだぐだとくだらないことを考え、よく妄想の世界で遊んでいる。
基本的に脳みそお花畑な人間。




最新トラックバック
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
1455位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ライトノベル
64位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
リンク



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

アスパラグリーン

執筆と脱線の日記

旅の空でいつか

Debris circus

Fakelore Maker

いえのコップは使えない

移ろひ

満身創痍

玩具箱を引っくり返したッ!!

ピナフォークの残念なブログ

からくり童子 風のジード

展示中。自作ラノベ&詩!!

リツギのラノベ妄想でいず!

ナマクラ!Reviews

気ままな雑記帳

ピクルスの味

兎の読書週間

凛音天青

おさんぽ日和

星たちの集うskyの星畑

百鬼夜行に遅刻しました

Take it easy!!!!

smooch♪

scribo ergo sum

H0nNe96の雑記