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刻陽のレジスタンス000 第零葬 逃げるのは鼠か獣か

    2012-04-27(Fri)

こんにちは。

久々の更新でネタがないものだから、過去の小説の冒頭を投下しておきます。





 場所は港湾に程近い倉庫街。

 時分は日付が変わってからそうは経っていない。

 その場所、その時間、月の無い闇夜を駆ける男が二人いた。時折辺りを照らし出すのは彼らに追いすがるように放たれる砲弾の着弾による赤光。

 男の内、一人は禿頭。巨躯でありながらもしなやかな身のこなしは大型の肉食獣を彷彿とさせる。赤き光に照らされる顔には無数の古傷がある。

 もう一人は黒髪。身体能力は禿頭の男に劣らず、そのやや低い身長を思えば、卓抜したものであることを容易に窺わせる。幼くも見える顔立ちだが、それを彩る表情は不釣り合いなほど険しい。

「鉄臣(かねおみ)」
「何だ?」

 口を開いたのは黒髪の少年。それは呼びかけであり、呼ばれた本人である禿頭の男は少年の方を見ないまま低い声で問い返す。少年もまた相方の方を見ていない。その瞳は遥か前方を見据えており、

「なるほど……蹴散らすか?」

 少年の見るものに気付いた鉄臣は獰猛に笑う。

 それは人の群れ。それも一般人ではなく、完全武装した政府の正規軍の一団。その数およそ三十。

 少年は黙考。接敵までは長くて数分。あちらが接近してくるようなら一分もないだろう。数秒を思考に費やし、やがて少年は口を開く。

「いや、交戦は避けたい。迂回して切り抜ける」
「ならば、拠点で落ち合おう」

 二人は頷き合い、それぞれ別の方向へと身を躍らす。鉄臣は建物の間へ。少年は一回の跳躍だけで倉庫の屋根へと昇る。

 彼らの動きに気付いた政府軍の兵士達は二手に分かれて追撃をかけた。
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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

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No title

 こんばんは。
何と無く ロマン ノワール的と 思いました。
此処で 巨大企業に 私兵が出てくると FFっぽい。
冒頭だけでは 解らないですが ファンタジー方向なのか 
それとも 反政府的な何かなのでしょうか。
冒頭の短い文章ですが 躍動感があり 緊迫感があり
先を読みたいと思わせる いい出だしだと思います。

ウゾさんへ

こんばんは。

> 何と無く ロマン ノワール的と 思いました。
主人公たちが抗うのがなにか。それによってはロマン・ノワールにもなりえますね。

> 此処で 巨大企業に 私兵が出てくると FFっぽい。
あー……微妙で出て来ます、大企業。私兵は出さない予定ですが。

> 冒頭だけでは 解らないですが ファンタジー方向なのか 
> それとも 反政府的な何かなのでしょうか。
多分、ファンタジー……なのかな?

> 冒頭の短い文章ですが 躍動感があり 緊迫感があり
> 先を読みたいと思わせる いい出だしだと思います。
ありがとうございます。
ストックしているネタの一つなので、本編を書き次第アップする予定ではいます。
もしかしたら新人賞に出して、落ちたらアップという可能性もありますが……

コメント感謝です。
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